みなさん、こんにちは。今週末は3連休の方も多いと思いますが、ドライブなどの計画は立てていらっしゃいますか?この週末も好天に恵まれそうです。ぜひ、愛車で秋の空気を胸いっぱい吸い込みに、海へ、山へ出かけるのには絶好の日和である3連休が、素敵なひと時になることを願っています。
さて、今日の記事はこんなお話です。ご来店頂くお客様、特に初めて輸入車をお考えのお客様から、よくこんな質問を受けることがあります。
『国産車と輸入車では何が違うの?』
既に輸入車にお乗りの方もこの質問の答えを考えてみて下さい(笑)。様々な観点で、様々な答えが浮かんでくることだと思います。例えば走り、例えば安全性、例えばスタイリング・・・・そんな中にこんな答えはありませんか?
伝 統
現在では日本のメーカーも素晴らしいモデルをたくさん世界中に送り出してはいますが、こと伝統ということに関しては、まだまだ海外のメーカーには及ばない部分もあったりします。時間(歴史)というモノに関してだけは、どうしても埋めることはできませんからね。そんな輸入車の伝統を表しているモノに、こんなモノがあります。
紋 章
しばし自動車ではエンブレムとも呼ばれる西洋文化独特(同じ意味で日本には家紋がありますが)のモノなんですが、自動車メーカーにはそれぞれに独自の紋章(エンブレム)を有しています。また、紋章の定義でもある『個人を識別できるようまったく同じ図案の紋章が2つ以上あってはならない』、『代々継承された実績を持つ世襲的なものであることである』という意味合いから、クルマのフロントには必ずと言っていいほどメーカーのエンブレムが燦然と輝いてもいます。またデザインも日本のメーカーとは違い、様々な由来や意味合いも持っています。今日はそんな各メーカーのエンブレム(ここからは紋章とは書かずに一般的なエンブレムとします)の意味を、ルフトのストック車両を例に挙げながら見ていこうと思います。
フェラーリ(フェラーリジャパン株式会社)=写真はフェラーリ F430 スパイダー F1ギヤボックス
1923年、アルファロメオに乗り初優勝したエンツォ・フェラーリは、第一次世界大戦の撃墜王フランチェスコ・バラッカより、亡き撃墜王の機体から切り取ったマークをプレゼントされました。これが黒い跳ね馬のマークで、その後フェラーリのシンボルとなりました。
アウディ(アウディジャパン株式会社)=写真はアウディ R8 4.2 FSI クワトロ
アウディのシンボルマーク「フォー・シルバー・リングス」は、4社の独立したメーカーが大同団結した歴史を表しています。19世紀後半から20世紀はじめに創立された4つのメーカー、ホルヒ、ヴァンダラー、DKW、アウディが、それぞれの得意分野と専門技術で手を結んだ共同体(アウトユニオン)が現在のアウディの前身です。
メルセデス ベンツ (メルセデス ベンツ日本株式会社)=写真はメルセデス ベンツ ハイブリッド (S400)
「スリー・ポインテッド・スター」のエンブレムは、カール・ベンツと並んで世界で最初に自動車を発明したゴッドリープ・ダイムラーが、自動車のみならず、あらゆる交通機関に自社製作のエンジンが搭載されることを夢見て、その活躍の舞台「陸・海・空」を表現したものです。
マセラティ(マセラティジャパン株式会社)=写真はマセラティ クアトロポルテ デュオセレクト
マセラテイのエンブレムは、古都ボローニャの紋章である「海の神ネプチューンの三又の槍」をデザインしたものです。マセラテイは、1914年にアルフィエーリ・マセラテイによって設立されたイタリアの数あるスーパーカーの中でも最も長い歴史と豊富なレース経験を持ったブランドとして有名です。
ポルシェ(ポルシェジャパン株式会社)=写真はポルシェ 911 カレラ (1987)
ポルシェ社のクレスト(紋章)は、所在地であるバーデンビュルテンブルグ州とシュトゥットガルト市のクレストを合わせたものです。中央のシュトゥットガルト市のクレストには馬が跳ねていますが、STUTTはドイツ語で牝馬を、GARTは英語のGARDENにあたります。つまり、シュトゥットガルトは日本語にすると「馬の園」という意味になります。
アルファロメオ(フィアットグループ オートモービルズジャパン株式会社)=写真はアルファ 147 GTA
ミラノ市の紋章である赤十字とミラノの貴族ヴィスコンティ家の紋章である人間をくわえた大蛇の2つのシンボルを組み合わせたものがアルファロメオのトレードマークです。赤十字は、第1回十字軍遠征時に聖地エルサレムの城壁を最初に登り、十字架を立てた者がミラノ出身であったため。大蛇は、初代オットーネ・ヴィスコンティが決闘で倒したサラセン人の盾に刻まれていた紋章であったという故事にちなんだものです。
プジョー(プジョー シトロエン ジャポン株式会社)=写真はプジョー 307 SW 1.6
プジョーは、1810年頃鋼材工場として誕生したのが始まりで、プジョー製のノコギリ等には、品質の証として「ライオンの歯のような(刃の強さ)」「ライ オンの体躯のような(刃のしなやかさ)」「ライオンの走りのような(速い切断速度)」の3つを意味するライオンマークが付けられていました。これに由来するのが現在のマークです。
こうして各メーカーのエンブレムを見てくると、そのメーカーの歴史やアイデンティティがひとつのエンブレムに凝縮されています。また特徴的なエンブレムはひと目で、そのメーカーが分かるという強烈な個性も持ち合わせています。エンブレムさえ見れば全てが分かってしますメーカーの顔・・・・それがフロントマスクには燦然と輝く由来なのかもしれません。この個性も輸入車と国産車では何が違うの?その答えの一つだと思うのですが・・・・みなさんはいかがでしょうか?
今回、取り上げましたメーカーはルフトのストック車両ということで選びましたが、この他の輸入車にも様々な由来があります。そんな他のメーカーの由来に関しては出典元の日本自動車輸入組合(JAIA)のサイトのカテゴリー『ブランドエンブレムの由来』に掲載されています。下記にリンクを貼っておきますので、興味のある方、今回取り上げたメーカー以外に『自分が乗っているメーカーのエンブレムの由来は?』と思われた方は覗いてみて下さい。
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